jcssはJapan Calibration Servics Systemの頭文字を取ったもので、測量のトレーサビリティ制度のことです。トレーサビリティは「追跡可能性」を意味し、測定においては、国家計量標準までの遡行が可能な状態をトレーサブルであると言います。国が定めた測定・軽量の標準である国家計量標準に繋がっているということは、その測定器の確かさ、或いは不確かさが明らかであるということです。つまり、jcss校正は測定器の品質を保証するシステムと言うことが出来ます。国際的にも認められた規格ですので、海外に輸出する製品などに対しても「この測定器は一定以上の品質である」という証明になります。このjcss校正を行い、証明書の発行等の業務を担うのが、jcss校正事業者です。
jcss校正が必要とされる背景
なぜjcss校正というものが生まれたのか、それは時代の変遷と共に対外的で客観的な指標が必要になったからです。従来の校正には明確な規定がなく、特に測定値や校正値の不確かさがおざなりにされる傾向がありました。かつてはそれでもあまり問題はなかったのですが、海外の国々と遣り取りをするとなると話が変わってきます。A国とB国で校正の標準が異なっていたとしたら、その測定結果は二国間でちぐはぐなものになってしまいます。それでは測定器として使い物になりません。こうした事態を避けるために国際的な規格が作られ、日本はそれに合わせてjcssという制度を設けました。大臣、または大臣に指定された機関が登録事業者に対し計量標準の供給を行うという「計量標準供給制度」と、事業者の校正能力を審査し認定する「校正事業者登録制度」がjcssを構成しています。
jcss校正を事業者に依頼したい時は
jcss校正事業者について調べるのであれば、認定機関の公式サイトが役立ちます。サイトトップから「適合性認定」、「計量法校正事業者登録制度」の順で進んでいくと、校正事業者登録を行なっている業者を一覧で確認出来るページが表示されます。校正業者にjcss校正を依頼したい時、近くのjcss校正業者を調べたい時などには、同サイト内の「JCSS登録・認定事業者検索」が便利です。jcss校正業者は長さ、質量、時間など、対象とするものによって25の区分に分けられていますので、目当てのものを選択して絞り込みましょう。計量器の種類やフリーワードでの検索も可能となっていますので、なかなかヒットしない時は検索方法を変えてみるのも手です。そこから先は各業者との遣り取りとなりますので、各社の指定に従い依頼・申請を行いましょう。